suger&spice

母と電話するのが楽しい。用がなくても、週に1回、電話してしまう。

生協が来るとか、ご飯を作らなきゃとか、充電が切れるとか、トイレに行きたいとかで、電話が中断されることはよくある。全然着信に気付いてもらえないことも多い。でも母は母で、電話がそれなりに楽しみなようだ。


最近の母の発言で面白かったのは、「あんたの人生スパイス効きすぎて、激辛やで。5辛やで。」というもので、CoCo壱風に言ってきたのも可笑しかったけど、「お砂糖をもらう事もあるから大丈夫よ。」と返すと、「そら忙しいなぁ。」と言われたことだ。私は忙しいのかも。


今日は元同僚と同僚と飲んだ。グランピングというのかよくわからないが、ビルの屋上にモンゴルのゲルのようなテントがあり、BBQセットがあり、貸し切りだった。そのガーリーなテントに似つかわしくない下世話な話題で盛り上がり、お姉さん達の1人が本格的に酔っ払って来たところで、急に私の事をチヤホヤしてくれるタイムが訪れた。お姉さんのもう1人が「◯◯(私)ちゃんをいじめる奴がもし居たら私がぶっ殺す」と言い、そーだそーだとお姉さんが言って、私はお礼を述べつつ、彼女がトイレのスリッパを履いてテーブルに来ていることに気付いて、笑いながらビールを飲み干した。飲み会は忙しなく、愛が溢れ出ていて、私は人生のお砂糖を少し舐めて、甘くてゲップが出た。


ゲルを追い出されて、二軒目の居酒屋を出るらへんで、お姉さんがぐでんぐでんになって転んだ。抱き抱えて起こしていると、「私達は東京の母だからね。」と言う。新宿の母みたいな言い草に可笑しくなりつつ、東京の母を駅の改札に押し込んだ。


終電で帰る夜道は心地良い。夫が駅まで迎えに来てくれた。ホットの紅茶のペットボトルの蓋を開けながら、5辛の人生に粉砂糖がまぶされていくのを感じる。このまま真っ白になったら素敵だけど、シナモンくらいなら受け入れても良いです。

私って意外と、ちゃんとヤケクソで生きていかれる人なんだと、最近ちょっと思ったのでした。