チャイニーズレストラン

毎週、病院の帰り道(もしくは行きしなに)に、いつも同じ中華屋さんで夫と夕食を摂る。そこは多分チェーン店なのだけど、皆中国人の、いつも居るお兄さんと、入れ替わるお姉さんと、厨房のコックさんが切り盛りしていて、大通りに面していて、夜は頻繁に飲み会などの団体のお客さんも見えるので、そこそこ繁盛してるんじゃないかと思う。

わたしは毎回、ビールセットなるメニューを選択する。ビールのジョッキと、餃子と唐揚げと、エビチリとか麻婆豆腐とかから選べるおかずが一品つく。これで950円なら上等かしらと思うけれど、どうでしょう。

夫はビールが飲めないので、炒飯や麺やお粥やなんやのどれかを頼み、テーブルに並んだ全ての食べものを、わたし達はシェアする。男女が訪れて、ビールが一杯だけ注文された場合、多くの店員の人はとりあえず男性側に置く。夫はそれをわたしの側に置き直して、お疲れ、と言う。この少し贅沢な習慣は、しかしわたしの通院の面倒さやちょっとした下らないナーバスをかき消して、しっかりと家に帰る元気をくれる。

お金が無い時はうどんを食べるので、今日は何週ぶりかの中華屋さんだった。ビールセットをエビチリで頼む。夫は炒飯や麺類をやめて、麻婆茄子を食べたいと言う。ビールは、最近ではちゃんとわたしの側に置かれる。中華屋さんは喫煙可であるが、夫はわたしに気を遣って、吸わない。わたしの禁煙(何回目かな)は今回3ヶ月を達成しようとしている。

この中華屋さんは餃子が売りみたいなんだけど、唐揚げが異様に美味しい。ビールセットに唐揚げが2つつくので、1つずつ食べる。熱くて口元がおぼつかない間に、唐揚げの大半をテーブルの下に落としてしまった。ショックでした。神も仏も無い。唐揚げも無い。夫がひらって、お兄さんに謝ってくれた。お兄さんが行くと、夫はわたしに、「なんか唐揚げ1個サービスしてくれそうじゃない?」と悪そうな顔で言う。なんてよこしまな、と思いながら夫の唐揚げを半分貰っていると、お兄さんがやってきて、なんと唐揚げを余分にサービスしてくれたのだった。わたし達はもう常連なのだ。

さて、単にこの中華屋さんが大好きだっていう話なのですが、それとは別にわたしはたまに、一杯ひっかけてから診察に挑んでいる日があるということです。酒気帯びなんてへっちゃらなので、あまり悪いとは思っていないのだけど、失礼かもしれないと思って、内緒にはしてます。ははは。