Nikki

 午前7時半である。本来なら通勤電車に乗り込む時間だけれど、私は家にいて炬燵に入って居る。どうしてもどうしても仕事に行きたくない気持ちが通じてか、2日連続で下痢をしていた。
 11月に休職の診断書を書いてもらった。「一ヶ月の休養を要す」的なことが書いてあると思う。会社に持っていくと「一ヶ月も休んだら仕事できなくない?代わりに人を入れなきゃダメだから、戻ってくるところはないかもよ。」と言われた。それから準社員規則の休職規定のコピーをもらった。私は契約社員から無期雇用転換制度で無期雇用となったが、そうすると準社員という意味不明な身分になることをうっすら思い出した。要するには何ヶ月休んだらクビになりますよという規定の部分で、先方は全く休ませてあげよう的な慈悲は無さそうに思えた。仮に休んだとして、戻った後の使われ方がひどそうに思われる。私は渡した診断書を、そっと取り戻して、その診断書はその後も誰にも封を開けられることは無かった。
 と言う経緯なので、人が足りないこと、永久に繁忙期であることは承知しているが、私はポツポツ自主的に休んでも、あまり罪悪感を抱かないことにした。正規に休めないし、正気に抑うつだし、世紀のストレス社会だし、とにかく下痢だし、いいんです。今日は休みます。
 夫が在宅で仕事をしているのが、ダラダラしている身としては少し申し訳なかった。
 午前8時半になったら、職場に欠勤の連絡を入れる。体調不良のため。持病により。熱は無いです。


 持病は躁うつ病だが、躁などは最近は殆どなくて、鬱も軽くて済んでいる。薬が合っているのだと思う。夫が基本的に私のやることについて肯定的なのもとても支持的だと思う。躁だの鬱だのといった事項より、仕事の忙しさや職場の人のテキトーさや、新型コロナウイルスの感染が発生しまくっていること、単純に寒いことなどの理由が明確なストレスがあり、お酒の量が増えている。休みの日などは朝から飲んでしまう。正直言って、私の下痢は飲み過ぎが原因のようにも思う。

 職場の直接の上司のことはミンチンと呼んでいる。(心の中で。)小公女セーラのミンチン先生くらい厳しいからであるが、あと1年で定年退職するので、この人のことは後1年我慢すれば勝ちである。悪い人ではない。パワハラ発言がたまに目を引くが、ものすごく仕事を沢山こなしている。ワクチンの職域接種を希望したら(募っていた)、拒否された時は参った。結局受けられたからいいのだけど、仕事の成果が優先で、人権を蔑ろにしがちではある。ただミンチンは特筆してお洒落なので、スタイルも還暦とは思えないほどシュッとしているし、元アパレル関係だったのでは無いかと思っている。マスクを外すと意外とそんなに迫力のない顔である。
 ミンチンの補佐的な女の子はスヌーピーと呼んでいる。スヌーピーのトレーナーを着て、スヌーピーのブランケットを羽織って、スヌーピーのスタンプを卓上に置いているからなのだが、スヌーピーが別にそこまで好きと言うわけではないらしい。おそらく漫画などのシュールなスヌーピーについては知らないものと思われる。仕事ぶりは誰よりも大人で、きちんとしている。
 後は時代小説を書いているおじさん派遣社員・時代小説家、首にギブスをしていてとにかく病院に早く行ったほうがいいが、忙しくて休みが取れないので行けないままの首ギブス、アマゾンプライムのコマーシャルのおじさんそっくりの社員・アマゾンプライムなどがいる。

 欠勤の電話にミンチンが出ると少し緊張するので、ミンチンが出ないことを祈っている。


 仕事を辞めようかと言う考えが胸をよぎる。でも他に私に出来る仕事があるだろうか。髪の毛がピンク色だが、これを黒染めして、スーツを着て面接を受けたりするのかと思うと、それも何だか気が進まなかった。第一スーツを持っていないしさ。

 

  実際、そんなにはクサクサもしていなかった。お風呂に入って、お酒を買いに行こうと思う。窓から見える畑には霜が降りて、ビンドゥンドゥンの着てるシェルターみたいな服と似ている。セブンイレブンは会計がセルフレジになった。セルフレジはいいと思う。

 午前8時半になったので、電話をした。申し訳ないのですが体調不良で、お休みさせていただきたいです。

 

 今までのように生きていけるだろうか。とても不安になる。同じはいけない。変わらないことは無い。出来るだけお姫様のように暮らしたいけれど、それはかなり難しいみたいだった。とにかく、後もう少し雪でも降れば、少し好転するかも知れない。雪が積もればいいなと思う。