映画について
都市にしても郊外にしても、その土地が感じられる映画はいい。
週末に、グザヴィエ・ドラン監督のMammyを見た。わたしはロランスとMammyしか見ていないけど、この監督が20代であることが信じられない。容赦がないけど、救いがあって、何より画面と音楽がいちいち美しい。
主題はジェンダーや発達障害など関心の高いテーマだし。若いのに心得てるなぁなんて思う。
カナダのフランス語圏の人の様で、アメリカの郊外のような風景だけど、みんなフランス語で喚き立てるので不思議な気持ちになる。馴染みの、あるような、ないような。
わたしは映画でしか知らないけれど、欧米の人の、物事をずっと身体的に捉える感覚は、少し羨ましい。
だけど恋する惑星が1番好き。
香港の街角のテイクアウトのお店で、ラジカセから流れるカリフォルニアドリーミングと、ゆらゆら踊るショートカットのフェイウォンは、完璧ではないでしょうか。
わたしはたぶん映画が好きなので、マニアックと思われるものや、古典と思われるものや、難解と思われるものも割とみたと思う。でも凡庸に、一等好きな映画は恋する惑星。
アルメニア映画も、ヌーヴェルヴァーグも、タルコフスキーも、いいですけれど。
ハーモニー・コリンとか、ギャロとか、ジャ・ジャンクーとか、閉塞感の中の疾走と、微か過ぎる希望の雰囲気が、ちょっとパンクでそういうの好きです。
それで、東京でもマルセイユでもロサンゼルスでも、福建省でもコーカサスでもグラスゴーでも、そこで生活してるってゆうそれぞれの不自由さを、見たい。