NASAとパフェと歩行者天国

昔から待ち合わせが好きだ。

駅の改札を出た所の円柱の前や、デパートの入り口や本屋さんで、手持ち無沙汰に突っ立っている時間が好きだ。

今日は尼崎から東京に来ている友達と、新宿の紀伊国屋で待ち合わせをした。


わたしはよく、かなり早めに待ち合わせ場所の駅に行く。街をぷらぷらして、なんなら珈琲の一杯も飲んでから指定の場所に立つ。

時間に制限があるので疲れるほど歩き回らないし、徒労感に見舞われる前に、人と会うという目的を取り戻せる。30分から1時間くらい前が丁度いいです。


新宿は好きだ。

何年もずっと気に入っているワンピースを着た。流行遅れでダサいんだけど、気に入っているのでたまに着る。ボタンが取れて穴もあるけれど、家を出る前にテキトーに繕った。

いい歳の女が髪にピンク色のメッシュを入れて、レースのロングワンピースを着てPerfumeのツアーグッズの鞄をぶら下げて闊歩していても、新宿なら人々に道行く一個人のダサさが特段認識されることはない。これは臆病者にとって、かなり安心できる事柄だよ。

世界堂の各フロアをパトロールして、ペンを買った。一旦出てから思い直して、入り口付近にあった地球柄の缶バッジも買うことにした。結局なんでか木星の缶バッジも買ってしまった。また夫分の生活費を流用している。(給料入ったら補填します。)


友達は無事にやって来て、共に豪奢なパフェを食べた。友達は髪が伸びていて、エメラルドグリーンのマニキュアをしていた。

彼女は毎年5月に、東京のイベントに出展する為にご主人と車でやってくる。夜はまた別な人に会うらしく、夕方にご主人が迎えにくるということだった。

昼下がりの喫茶店での時間は懐かしく新しく、派手な色の柄の服が好きだと認識していた彼女が、最近はスティーブ・ジョブズのように黒い服ばかり着ていると言うのが印象的だった。積極的な理由からじゃないのかもしれないけど、わたしは黒もとても似合うと思ったよ。世界堂で可愛い便箋を買えばよかった、とも思った。


友達のご主人を、喫茶店の前で2人で突っ立って待つ。ゴールデンウィークの物凄い人混みの中を、十数年前にチラッと見ただけの朧気な印象を元に、ウォーリーを探せみたいな気分で探す。

ウォーリーがやって来て友達と別れた後、また1人でぷらぷらと歩いた。

夫は休日出勤で、職場は近い。仕事が終わったら連絡するようにメールして、GUをうろついた。

GUがまさかのNASAとコラボしたTシャツを出していて(790円)、これは買わなければいけないのではないかとアレコレ思案していたら、リュックを背負った夫がやってきた。結局わたしはNASAマーク、夫はアポロ11号のTシャツを買って、夫のリュックにそれらを詰め込んで電車に乗って帰った。


夫はJAXA国立天文台E.T.のTシャツを持っていて、どれも恐ろしく似合うんだけど、アポロTシャツもまたよく似合っていた。さすがと思う。

今日は友達と落ち合う前に、紀伊国屋角川ソフィア文庫の『宇宙入門』を探したんだけど置いて無かった。

ま、そんなことよりわたしは、そろそろ3ヶ月ぶりに家計簿をつけるべきかもしれない。