a drunk

私は、アルコール中毒にならなかったのは運が良かったと思う程度には、自暴自棄に酒ばかり飲んでいた時期があり、また今でもお酒は大変に好きだ。タバコを止められたのは奇跡だが、酒も止めろとなると、私の中で暴動が起きると思う。タバコより酒の方が安いし、ちょっとくらいいいではないか。

 

ホームレスの人と飲んだことがある。ドレッドヘアの友達が、飲みに行こうと言った。私はお金が無いと断ったけど、奢ってくれるというので行った。今宮の高架下にしゃがんで、ワンカップ発泡酒とスルメを広げて飲んだ。そのホームレスの人達は既にドレッドヘアの友達なようで、私は紹介される形だった。私は「よう生きていかれんです」と泣いて、ホームレスの人に「頑張れ」と言われた。


若い頃、私が23歳とかそのくらいの年で、周りもあまり変わらないような年齢だった時に、なぜか周りが妙に酒に慣れた人ばかりだった。バーでも立ち飲み屋でも、路上でもアパートでも、缶ビールやワインや、いいちこや黄桜を片手に、1人でも大勢でも淡々と当たり前に飲んでいる人が多かった。待ち合わせも喫茶店ではなく、立ち飲み屋で瓶ビールを飲みながら待って、相手と落ち合うと、黄桜を飲み直して、夜はまた別なところで別な人も加わって飲む、という感じ。それで、私は女友達の家に居候したりしていたので、さらにその子と深夜にワインを飲んだりした。ウォッカには塩プラリネのチョコレートが合う、などという発見をして、毎夜塩味のチョコを齧って、月を見ていた。


実家でストレスが溜まると机の下に隠したサントリーオールドを飲んでいて、見つかった時は「さすがにこれはあかん」と言われた。

常に酔っ払っていたかったけれど、私はあいにく普通よりかはかなり酒に強いみたいで、吐くこともなく、眠ることもなく、ただアルコールの味のする飲み物を、ガバガバと飲んでいた。


恐らく、精神科的にはお酒はあまり飲まない方がいいんだろうと思うけど、昔はノータリンだったので、何も考えていなかった。

今は、毎晩缶で1-2本飲むか飲まないかという感じで、飲まない日も多い。ひとえに、全く飲酒しない夫と結婚したので、つられてあまり飲まなくなったのが大きい。職場でも私は酒豪と呼ばれていたけど、最近はそんなに酒豪ではないです。


そんなことは言うけど、アルコール中毒には普通より飲めるようなレベルじゃ、全然なれないとは知っている。アルコール依存症の知り合いの人は、足が壊死して車椅子だったし、ぱっと見で遅かれ早かれこの人は死ぬと確信したし、すごい申し訳ないし私の言うことでもないんだけど、死んだ方が楽だろうなと思った。場合によるけど、それでも全般的にアルコール依存症は結構死に近いと思う。

 

私は本当は記憶にモヤがかかるくらい酔いたいし、無理ならタバコをバカバカ吸いたいですが、もうそんなのに人権とか無いじゃないですか。なので、平成の良き思い出と一緒に喫煙は捨てます。ああ悲しい。その分、金麦くらいは飲ませていただきたい。